リセールバリューとは?マンション購入で重視される理由と注意点
マンション購入を進めていると、「リセールバリュー」という言葉を耳にする機会が増えます。言葉は知っていても、「値下がりしにくいマンションという意味?」「将来高く売れる物件を選べばいいの?」と感じることもあるのではないでしょうか。
結論からいうと、リセールバリューは将来そのマンションを売るときに、どれだけ価値を保ちやすいかを見る考え方です。
ただし、将来の売却価格を保証するものではありません。立地や築年数、管理状態、市況など複数の要素が関係します。
この記事では、リセールバリューの意味や仕組み、マンション購入時の考え方を整理し、「自分のマンション選びでどこまで重視すべきか」を判断できるよう解説します。
リセールバリューを一言でいうと
リセールバリューは法律上の制度名や公的な正式名称ではありません。
「resale value」に由来する、不動産用語です。
リセールバリューとは「買ったマンションが将来どれだけ価値を保ちやすいか」という考え方です。
たとえば、同じ5,000万円で購入したマンションでも、10年後の市場で4,500万円前後と評価される物件もあれば、それより大きく価格が下がる物件もあります。
このような「購入後にどの程度の価値が残りやすいか」を考えるときに使われるのが、リセールバリューという言葉です。
ただし、未来の売却価格は確定できません。「駅近だから必ず高く売れる」「人気エリアだから値下がりしない」といった保証ではない点が重要です。
誰が定めているもの?
不動産会社や調査会社などが独自の基準で評価したり、購入時価格と中古流通価格を比較したりすることがありますが、計算方法や評価方法は同じとは限りません。
一方、国土交通省の住宅資産価値に関する研究では、住宅の市場評価において立地が重視されていることが報告されています。つまり、将来価値を考える際に立地を見る考え方には一定の根拠がありますが、それだけで将来価格が決まるわけではありません。
リセールバリューに関連する用語・制度・法律
リセールバリューは、「マンション選び」の中では、将来性を考えるための評価軸に位置します。
資産価値
そのマンションが市場でどの程度の価値を持つかという考え方。
売却価格
実際の売買取引で成立する価格。
流動性
売りたいときに買い手が見つかりやすいかという考え方。
修繕積立金
将来の大規模修繕などに備えて積み立てるお金。
長期修繕計画
将来必要になる修繕工事や費用を長期的に見通す計画。
国土交通省は、マンションの良好な居住環境や資産価値の維持・向上のためには、計画的な修繕工事と適正な修繕積立金が重要だとしています。
リセールバリューはどんな人に関係する?
リセールバリューは、特に将来住み替える可能性がある人に関係します。
- ・転勤の可能性がある
・子どもの成長に合わせて住み替える可能性がある
・将来、実家へ戻る可能性がある
・老後は小さな住まいへ移りたい
・永住予定だが、将来の選択肢は残しておきたい
といった人です。
具体的な例として、35歳で3LDKを購入した場合。
10年後には勤務地や家族構成が変わるかもしれません。そのとき売却しやすいマンションであれば、次の住まいへ移る選択肢を持ちやすくなります。
「絶対に売らない」と考えている人でも、人生の予定が変わる可能性を考えれば、完全に無関係とは言い切れません。
リセールバリューを身近な例でいうと
リセールバリューは、中古車の下取り価格をイメージすると分かりやすいでしょう。
同じ価格で買った車でも、数年後の中古市場での評価は同じではありません。人気や状態、需要などによって売却価格が変わります。
マンションも似ています。
ただしマンションでは、
どの街にあるか、駅や交通機関を利用しやすいか、周辺に住宅需要があるか、築年数はどの程度か、建物が適切に維持管理されているか、といった条件が関係します。
特に立地は購入後に自分で変えることができないため、将来価値を考えるうえで重要な視点の一つです。国土交通省の研究でも、市場評価において立地が重視される傾向が確認されています。
リセールバリューが重視される理由
マンション購入は、購入時点だけで完結しないからです。
転勤、転職、家族構成の変化、親との同居などによって、将来住み替えが必要になることがあります。
その際、現在のマンションをいくらで売却できるかは、次の住まい選びに影響します。特に住宅ローンが残っている場合は、売却価格とローン残高の関係も重要になります。
つまり、リセールバリューを見る目的は、単に「値上がりする物件を当てること」ではありません。
将来住み替える必要が生じたときに、選択肢を残しやすくすることも大きな目的です。
リセールバリューの仕組み
リセールバリューは、おおまかには次の流れで考えられます。
- 購入する
年月が経過する
中古住宅市場で売却する
その時点の需要と条件によって価格が決まる - 売却時の評価には、
エリアの需要
駅や交通機関へのアクセス
築年数
専有面積
間取り
階数や向き
建物の維持管理状況
修繕状況
周辺の競合物件
金利や景気などの市場環境
などが関係します。 - 東日本不動産流通機構の統計でも、中古マンション市場は地域別・築年帯別などに分けて分析されており、成約価格や取引状況が条件によって異なることを確認できます。
マンション購入でリセールバリューをどう考える?
大切なのは、リセールバリューだけでマンションを選ばないことです。
たとえば、駅に近い物件でも、自分にとって騒音や周辺環境が気になるなら、毎日の満足度は下がるかもしれません。
反対に、自分の好みだけを優先しすぎると、将来その条件を求める買い手が限られる可能性があります。
マンション選びでは、
自分が住みたいかと将来ほかの人も住みたいと思うか
の両方を見るのが一つの考え方です。
また、「資産価値」と「リセールバリュー」は近い言葉ですが、リセールバリューは特に将来売却するときの価値を意識した考え方と整理すると分かりやすいでしょう。
リセールバリューを重視するメリット
住み替えの選択肢を残しやすい
将来売却しやすければ、勤務地や家族構成の変化に対応しやすくなります。
住宅ローン残高との関係を意識できる
将来の売却価格を考えることで、「売却代金でローンを返しきれるか」という視点を持ちやすくなります。
物件を長期的に比較しやすい
モデルルームの豪華さや新築時の印象だけでなく、立地、需要、築年数、管理などを見るきっかけになります。
購入後の出口を考えられる
「買えるか」だけでなく、「将来どう手放す可能性があるか」まで考えられます。
リセールバリューの注意点
将来価格は保証できない
人口動向、再開発、金利、景気、災害などによって市場環境は変わります。
駅近だけで決まるわけではない
交通利便性は重要な要素の一つですが、地域需要、築年数、間取り、競合物件なども関係します。
購入価格が高すぎれば見方が変わる
人気物件でも、購入時の価格が周辺相場と比べて高い場合、将来の価格維持を慎重に考える必要があります。
管理状態は購入後も変化する
マンションは建物全体を共同で維持していく住宅です。長期修繕計画や修繕積立金が適切かどうかは、長期的な維持管理を考えるうえで重要です。国土交通省も、適時適切な修繕と修繕資金の確保を重視しています。
リセールバリューについて契約前に確認したいポイント
周辺では中古マンションがいくらで取引されているか
新築マンションの販売価格だけでなく、周辺の中古マンションの取引状況も確認しましょう。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格情報などを確認できます。
同じマンションや近隣物件の中古流通実績はあるか
中古物件として売りに出された事例や、過去の取引状況について営業担当へ確認してみましょう。
ただし、「売出価格」と「実際の成約価格」は同じとは限らない点に注意が必要です。
長期修繕計画はどうなっているか
将来どのような修繕を予定しているのか確認します。
新築だから当面心配ないと考えるのではなく、長期的な維持管理を見ることが大切です。
修繕積立金は将来どう変わる予定か
現在の月額だけでなく、将来の増額予定も確認しましょう。
国土交通省は修繕積立金についてガイドラインを公表しており、購入予定者が積立額の水準を考えるための材料を示しています。
「資産価値が高い」という説明の根拠は何か
営業担当から「資産価値が高い」「リセールに強い」と説明された場合は、
- 周辺の成約事例
- 中古流通実績
- 地域の需要
- 競合物件
- 具体的な比較対象
など、根拠を確認しましょう。
「人気エリアだから」という説明だけで判断しないことが大切です。
リセールバリューのまとめ
リセールバリューは、「将来売却するときに、どれだけ価値を保ちやすいかを見る考え方」です。
重要なのは、値上がりするマンションを当てることではありません。
自分が住みたいか。
将来ほかの人も住みたいと思うか。
売る必要が生じたときに選択肢を残せるか。
この3つを考えることで、マンション選びを購入時点だけでなく、その先の暮らしまで含めて判断できます。
リセールバリューを自分のマンション選びでどこまで重視すべきか、判断できたでしょうか。
