不動産取得税とは?マンションの計算方法と軽減制度
マンションを購入すると、物件価格や登記費用とは別に「不動産取得税」がかかることがあります。
「購入時にすぐ支払うの?」「物件価格に3%を掛ける?」「新築なら非課税?」と疑問に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、不動産取得税は、土地や建物を取得した人に対して都道府県が一度だけ課税する税金です。
住宅には軽減制度があり、新築マンションでは税額がゼロまたは少額になる場合もあります。ただし、自動的にすべての軽減が適用されるとは限らないため、手続きの要否を確認しましょう。
不動産取得税を一言でいうと
一言でいうと、不動産取得税とは、土地や建物を取得したときに一度だけ支払う都道府県税です。
マンションを購入した場合は、専有部分の建物と、敷地に対する持分が課税対象になります。
売買だけでなく、贈与や交換などにより不動産を取得した場合も課税対象です。一方、相続による取得など、一定の場合は課税されません。
固定資産税のように毎年支払う税金ではありません。また、国へ納める税金でもなく、物件がある都道府県へ納めます。
不動産取得税に関連する用語
不動産取得税は、マンションを取得したときにかかる税金の一つです。
- 固定資産税評価額:土地や建物の税額計算に使われる公的な評価額
- 課税標準額:税率を掛ける基礎となる金額
- 固定資産税:毎年1月1日時点の所有者に課税される市町村税
- 登録免許税:所有権や抵当権の登記をするときに納める国税
- 住宅用土地の軽減:一定の住宅の敷地について税額を減らす制度
- 認定長期優良住宅:長期にわたり良好に使用するための計画について認定を受けた住宅
購入時にかかる税金でも、不動産取得税と登録免許税は別の税金です。それぞれ課税する機関、計算方法、納付時期が異なります。
不動産取得税はどんな人が対象?
マンションを売買や贈与などで取得した人が対象です。
たとえば、夫婦でマンションを共有名義にした場合は、それぞれの持分に応じて課税関係が生じます。
住宅ローンを利用せず、現金で購入した場合も対象です。登記をしていなくても、実質的に不動産を取得していれば課税対象になることがあります。
中古マンションも対象ですが、一定の耐震基準や床面積などの条件を満たし、購入者本人が居住する場合は軽減を受けられる可能性があります。
不動産取得税を身近な例でいうと
不動産取得税は、不動産を手に入れたときに一度だけかかる「取得時の税金」と考えると分かりやすいでしょう。
自動車を取得したときに取得段階の税負担がある一方、所有中にも別の税金がかかるのと似ています。
マンションでは、取得時に不動産取得税がかかり、所有している間は固定資産税や都市計画税が毎年かかります。
ただし、不動産取得税には住宅向けの大きな軽減制度があります。単純に物件価格へ税率を掛けて資金計画を立てると、実際の税額と大きく異なる場合があります。
不動産取得税が課税される理由
不動産取得税は、不動産を取得したという事実に着目して課税される地方税です。
税金を受け取るのは、物件が所在する都道府県です。東京都の場合は都税事務所、大阪府の場合は府税事務所などが窓口になります。
住宅の取得については、住まいの確保を支援するため、建物の課税標準から一定額を控除する制度や、住宅用土地の税額を減らす制度が設けられています。
不動産取得税の計算方法
基本的な計算式は、次のとおりです。
固定資産税評価額などの課税標準額×税率
2027年3月31日までに取得する土地と住宅については、税率が3%とされています。また、同日までに取得する宅地などは、土地の課税標準を価格の2分の1とする特例があります。
ここで使うのは、原則としてマンションの売買価格ではありません。固定資産評価基準により決定された価格が基礎になります。
5,000万円で購入したマンションだから、不動産取得税が150万円になるという計算ではありません。
新築マンションの軽減制度
2026年4月1日以降に新築された一般住宅では、床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下などの条件を満たすと、建物の価格から1戸につき最大1,200万円が控除されます。
基本的な計算イメージは次のとおりです。
(建物の価格-1,200万円)×3%
建物の評価額が1,200万円以下で、ほかの条件を満たしていれば、建物分の不動産取得税がゼロになる可能性があります。
認定長期優良住宅では、2026年7月時点で、一定の条件を満たす場合の控除額が最大1,300万円へ増額されています。
出典:不動産取得税|大阪府
マンションの土地にも軽減がある
マンション購入では、建物だけでなく敷地の持分も取得します。そのため、土地についても不動産取得税が計算されます。
一定の住宅とその敷地を取得した場合は、土地の税額から次のいずれか高い金額を減額する仕組みがあります。
- 4万5,000円
- 土地1平方メートル当たりの価格を基に、住宅の床面積などから計算した金額
マンションでは、敷地全体ではなく、購入した住戸に対応する敷地持分が計算対象です。
土地と建物の取得時期が異なる場合は、一定期間内に住宅を取得したことなどが軽減条件になります。
中古マンションの軽減制度
中古マンションでは、新築年月日に応じた控除額を建物の価格から差し引ける場合があります。
主な条件として、次のようなものがあります。
- 購入者本人が居住する
- 床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下
- 1982年1月1日以後に新築されている
- または一定の耐震基準への適合が証明されている
2026年4月1日以降に取得する場合、床面積要件は40平方メートル以上へ緩和されています。
1982年より前の建物でも、耐震基準適合証明書などによって一定の耐震基準を満たすと確認できれば、軽減対象となる可能性があります。
出典:不動産取得税|大阪府
認定長期優良住宅ではどうなる?
認定長期優良住宅の新築または新築未使用住宅を取得した場合、一定の条件を満たすと、建物の課税標準から最大1,300万円が控除されます。
一般住宅の最大1,200万円より、控除額が100万円大きくなります。
2026年7月時点では、2029年度末に当たる2031年3月31日までに新築された住宅が対象とされています。
ただし、「長期優良住宅相当の性能がある」という説明だけでは足りません。正式な認定を受けているか、必要な通知書を取得できるかを確認しましょう。
出典:認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度|国土交通省
不動産取得税の軽減を受けるメリット
取得時の税負担を減らせる
建物の価格から最大1,200万円などが控除されるため、税額が大きく下がる場合があります。
土地と建物の両方に軽減がある
条件を満たせば、建物だけでなく、敷地持分に対する税額も軽減されます。
長期優良住宅には控除額の上乗せがある
認定長期優良住宅は、一般住宅より建物の控除額が大きく設定されています。
不動産取得税の注意点
納税通知書は購入直後に届くとは限らない
都道府県が土地や建物を評価した後に課税するため、引き渡しから数か月以上たって通知書が届くことがあります。
諸費用を支払った後も、納税に備えた資金を残しておきましょう。
軽減手続きは都道府県によって異なる
登記情報によって自動的に確認される場合もありますが、申告書や添付書類が必要な場合もあります。
申告期限も自治体によって異なるため、物件所在地を管轄する都道府県税事務所へ確認してください。
床面積の考え方が住宅ローン控除と異なる
不動産取得税では、マンションの専有部分に、持分に応じて按分した共用部分の床面積を加えて判定する場合があります。
住宅ローン控除の登記簿上の専有面積と同じ数字になるとは限りません。
軽減前の納税通知書が届くことがある
必要書類の提出前などに、軽減されていない税額で通知される場合があります。すぐに支払う前に、軽減申告や徴収猶予の対象になるか税事務所へ確認しましょう。
不動産取得税について契約前に確認したいポイント
建物と土地の評価額の見込み
新築では正確な評価額がまだ決まっていないことがあります。販売会社の概算が、軽減適用前か適用後かを確認しましょう。
床面積要件
2026年4月以降は40平方メートル以上が基本ですが、共用部分を含む床面積の計算方法を確認します。
住宅性能と認定の有無
長期優良住宅の場合は、認定通知書など、軽減に必要な書類を受け取れるか販売会社へ確認します。
申告先と申告期限
物件所在地を管轄する都道府県税事務所へ、申告が必要か、いつまでに何を提出するかを確認します。
納税資金
軽減後も税額が発生する可能性があります。引き渡し後に納税通知書が届くことを想定し、現金を残しておきましょう。
不動産取得税のまとめ
不動産取得税は、マンションの土地と建物を取得したときに、都道府県へ一度だけ納める税金です。
税額は売買価格ではなく評価額を基に計算され、一定の住宅には建物と土地の軽減制度があります。
購入するマンションが軽減条件を満たすか、申告が必要か、軽減後の見込額はいくらか確認できたでしょうか。
