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残価設定型住宅ローンとは?仕組みと最終返済の注意点

admin

マンション購入について調べていると、「残価設定型住宅ローン」という言葉を目にすることがあります。「毎月の返済額が安くなるのか」「最後にマンションを返却すればよいのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。

結論からいうと、残価設定型住宅ローンは、将来の住宅価値を「残価」として設定し、その部分を毎月の元金返済から外すことで、当初の返済額を抑える考え方です。

ただし、残価部分の返済がなくなるわけではありません。契約終了時などに、売却、一括返済、借り換えなどによって残価を精算する必要があります。

この記事では、残価設定型住宅ローンの仕組みや一般的な住宅ローンとの違い、マンション購入で確認したい注意点を解説します。

残価設定型住宅ローンを一言でいうと

残価設定型住宅ローンとは、一言でいうと、将来も残ると見込まれる住宅価値をあらかじめ設定し、その金額を最終的な精算時まで残す住宅ローンです。

たとえば、5,000万円を借り入れ、そのうち1,500万円を残価として設定した場合、毎月の返済では主に残りの3,500万円を返していくイメージです。

そのため、5,000万円全額を返済期間中に均等返済する住宅ローンより、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。

ただし、「残価設定型住宅ローン」という名称の全国共通の商品があるわけではありません。残価の保証方法、利用できる住宅、精算方法などは金融機関や事業者によって異なります。

残価設定型住宅ローンに関連する用語

残価設定型住宅ローンを理解するときは、次の用語を区別する必要があります。

  • 残価:将来も住宅に残ると見込んで設定する価値
  • 元金:金融機関から借りた金額
  • 元利均等返済:毎月の元金と利息を合わせた返済額を原則一定にする方法
  • 最終回返済額:返済期間の最後に残るまとまった返済額
  • 残価保証:一定の条件のもとで、将来の住宅価値を保証する仕組み
  • リバースモーゲージ:自宅を担保に借り入れ、死亡時などに売却して返済する高齢者向けの仕組み

残価設定型住宅ローンとリバースモーゲージは、どちらも住宅の将来価値を利用しますが、対象者、借入時期、返済方法が異なります。

残価設定型住宅ローンはどんな人に関係する?

残価設定型住宅ローンは、毎月の返済負担を抑えながら住宅を購入し、将来は売却や住み替えを考えている人に関係します。

たとえば、35歳でマンションを購入し、子どもが独立する20年後を目安に住み替えたい人です。返済期間中の元金返済を抑え、将来の売却代金で残価部分を精算できれば、現役時代の返済額を軽減できる可能性があります。

一方、同じマンションへ長く住み続けたい人は、最終的に残価をどのように返済するかを準備しておく必要があります。

また、2026年7月時点では、残価設定型住宅ローンは一般的な住宅ローンほど広く取り扱われているわけではありません。特定の住宅会社、金融機関、住宅性能などに対象が限られる場合があります。

残価設定型住宅ローンを身近な例でいうと

残価設定型の自動車ローンをイメージすると分かりやすいでしょう。

自動車の将来価値を残価として設定し、車両価格から残価を差し引いた部分を毎月返済します。契約終了時には、返却、買い取り、乗り換えなどを選びます。

住宅でも、将来価値を残して毎月の返済額を計算する点は似ています。

ただし、住宅は自動車より利用期間が長く、売却価格は立地、築年数、管理状態、市場環境などに左右されます。また、マンションを金融機関へ返せば無条件に返済が終わるとは限りません。

残価設定型住宅ローンの仕組み

一般的には、次のような流れで利用します。

  1. 購入する住宅について将来の残価を設定する
  2. 住宅価格から自己資金を差し引き、住宅ローンを借り入れる
  3. 残価部分を残しながら、毎月の元金と利息を返済する
  4. 契約上の時期に、残価部分の精算方法を選ぶ
  5. 売却、一括返済、借り換えなどで残価を精算する

残価部分にも利息がかかる商品があります。そのため、毎月の返済額だけでなく、総返済額を確認することが重要です。

返済方法や金利タイプは商品ごとに異なります。住宅金融支援機構も住宅ローン利用者について、利用した金利タイプや金利変動リスクへの意識などを継続的に調査しています。残価の有無にかかわらず、金利上昇時の返済額を確認しておきましょう。

出典:住宅ローン利用者の実態調査|住宅金融支援機構

マンションの残価はどのように決まる?

残価の設定方法は商品によって異なります。一般的には、次のような要素が関係します。

  • マンションの立地
  • 築年数
  • 専有面積や間取り
  • 建物の耐久性や住宅性能
  • 管理状態や修繕計画
  • 将来の売却時期
  • 周辺の中古マンション相場

重要なのは、残価が将来の実際の売却価格と同じとは限らないことです。

契約上の残価が保証される商品でも、適切な維持管理、定期点検、指定時期での売却などが条件になる場合があります。

周辺の取引価格を確認する場合、国土交通省の不動産情報ライブラリで実際の不動産取引価格や成約価格などを調べられます。

出典:不動産情報ライブラリ|国土交通省

残価設定型住宅ローンのメリット

毎月の返済額を抑えられる可能性がある

残価部分の元金返済を最終時まで残すため、通常の住宅ローンより当初の返済額を抑えられる場合があります。

住み替えを前提とした計画を立てやすい

将来の売却を返済計画に組み込むことで、子どもの独立や定年などに合わせた住み替えを考えやすくなります。

住宅の維持管理を意識しやすい

将来価値を維持するため、建物の性能や修繕計画、管理状態を確認するきっかけになります。

現在の家計に余裕を持たせられる

毎月の返済額が下がれば、教育費や老後資金などへ資金を振り分けやすくなる可能性があります。

残価設定型住宅ローンの注意点

残価の返済が免除されるわけではない

毎月の返済から外した残価は、原則として将来精算する必要があります。

総返済額が増える可能性がある

残価部分の元金が長期間残るため、そこに利息がかかり続ける商品では、通常の住宅ローンより支払利息が多くなる場合があります。

実際の売却価格が残価を下回る可能性がある

残価保証がない場合や保証条件を満たさない場合、売却代金だけでは残債を返済できない可能性があります。

住み続ける場合の資金が必要になる

契約終了後も住み続けたい場合は、残価の一括返済や借り換えが必要になることがあります。その時点の年齢や収入によっては、借り換え審査を通過できるとは限りません。

対象住宅が限定される場合がある

長期にわたる性能や維持管理が重視されるため、対象となる住宅会社や住宅性能が指定されることがあります。マンションが対象外の商品もあります。

長期優良住宅では、認定後も維持保全計画に基づく点検や記録の保存が必要です。将来価値を前提にしたローンでは、購入時の性能だけでなく、購入後の管理も重要になります。

出典:長期優良住宅のページ|国土交通省

一般的な住宅ローンとどちらを選ぶ?

毎月の返済額だけで比較せず、次の4つを確認することが大切です。

  • 毎月の返済額
  • 支払利息を含む総返済額
  • 最終的に残る残価
  • 売却せず住み続ける場合の返済方法

一般的な住宅ローンは、返済を続けるほど元金が減り、完済すれば残債はなくなります。

残価設定型住宅ローンは、途中の返済額を抑えられる反面、将来にまとまった返済を残します。「今払わなくてよい金額」ではなく、「将来どの方法で精算するかを決めておく金額」と考えましょう。

契約前に確認したいポイント

残価はいくらで、いつ精算するのか

残価の金額、設定根拠、精算時期を返済予定表や商品説明書で確認します。

残価は保証されているか

残価保証の有無だけでなく、保証を受けるための点検、修繕、売却時期などの条件を確認しましょう。

最終時に選べる方法は何か

売却、一括返済、借り換え、返済期間の延長など、選べる方法を金融機関へ確認します。

売却価格が残債を下回ったらどうなるか

不足額を自己資金で支払う必要があるのか、保証によって返済が完了するのかを確認します。

通常の住宅ローンより総返済額はいくら増えるか

同じ借入額、金利、期間で比較した返済シミュレーションを金融機関に作成してもらいましょう。

残価設定型住宅ローンのまとめ

残価設定型住宅ローンは、将来の住宅価値を残価として設定し、その部分を最終時まで残すことで、当初の返済額を抑える仕組みです。

毎月の負担を軽くできる可能性がある一方、残価の返済がなくなるわけではありません。残価保証の条件、総返済額、売却価格が不足した場合の扱い、住み続ける場合の精算方法を確認する必要があります。

毎月の返済額だけでなく、将来残る金額をどのように精算するかまで説明できるでしょうか。

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案内人 まどか
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