住宅ローン控除とは?2026年の条件と申請方法
マンション購入の資金計画を立てていると、「住宅ローン控除でいくら戻るのか」が気になる人も多いでしょう。
「年末残高の0.7%がそのまま振り込まれる?」「新築マンションなら必ず対象?」「会社員でも確定申告が必要?」と疑問に思うこともあります。
結論からいうと、住宅ローン控除は、一定の条件を満たす住宅ローン利用者について、年末のローン残高などを基に計算した金額を所得税などから差し引く制度です。
控除額は住宅性能、入居年、年末残高、所得税額などによって変わります。販売会社の試算だけで判断せず、対象住宅の区分と必要書類を確認しましょう。
住宅ローン控除を一言でいうと
一言でいうと、住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して自宅を購入した人の所得税などを一定期間軽減する制度です。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」で、「住宅ローン減税」と呼ばれることもあります。
2026年度税制改正により、適用期限は5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居する人を対象とした制度が設けられました。
基本的な控除率は、住宅ローンの年末残高などの0.7%です。ただし、計算された金額がそのまま現金でもらえるとは限りません。原則として所得税から差し引き、控除しきれない一定額は翌年度の住民税から控除されます。
住宅ローン控除に関連する用語
住宅ローン控除は、マンション購入に関係する所得税の優遇制度です。
- 年末残高:その年の12月31日時点で残っている住宅ローンの金額
- 借入限度額:控除額の計算に使える住宅ローン残高の上限
- 控除率:年末残高などに掛けて控除額を計算する割合
- 控除期間:住宅ローン控除を受けられる年数
- 確定申告:所得や控除額を計算し、税務署へ申告する手続き
- 住宅省エネルギー性能証明書:住宅の省エネ性能を証明する書類
住宅ローンの借入額全体が控除計算の対象になるとは限りません。住宅性能に応じた借入限度額までが計算対象です。
住宅ローン控除はどんな人が対象?
住宅ローン控除を受けるには、複数の条件を満たす必要があります。2026年以降に入居する場合の主な条件は次のとおりです。
- 購入者本人が主に居住する住宅である
- 引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居する
- 住宅ローンの返済期間が10年以上である
- 合計所得金額が原則2,000万円以下である
- 床面積の2分の1以上を居住用に使う
- 登記簿上の床面積要件を満たす
- 新築住宅では必要な省エネ性能を満たす
たとえば、投資目的で購入して自分が住まないマンションや、返済期間が10年未満のローンは、基本的に対象になりません。
親族や知人からの個人的な借入れも、住宅ローン控除の対象となる借入金には含まれません。
住宅ローン控除を身近な例でいうと
住宅ローン控除は、「支払う税金から使える割引枠」に近い仕組みです。
たとえば、控除対象となる年末残高が3,000万円なら、0.7%は21万円です。ただし、その年に控除できる所得税などが十分にある場合に、21万円分の効果を得られます。
所得税などが少なければ、計算上の控除額を全額使い切れないことがあります。
また、借入限度額が2,000万円の住宅で年末残高が3,000万円あっても、3,000万円全額を基に計算できるわけではありません。
住宅ローン控除が設けられている理由
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して自宅を取得する人の税負担を軽減し、居住ニーズに応じた住宅取得を支援するための制度です。
現在の制度では、住宅の省エネ性能によって借入限度額が分けられています。省エネ性能の高い住宅ほど、控除計算に使える借入限度額が大きくなる仕組みです。
2026年度税制改正では、制度の適用期限が延長され、省エネ性能の高い既存住宅への支援も拡充されました。
2026年入居の新築マンションではどう計算する?
2026年に入居する新築住宅では、年末残高などの0.7%を所得税などから最大13年間控除します。
主な住宅区分と借入限度額は次のとおりです。
- 長期優良住宅・低炭素住宅:4,500万円
- ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
- 省エネ基準適合住宅:2,000万円
子育て世帯または若者夫婦世帯に該当する場合は、借入限度額が上乗せされます。
- 長期優良住宅・低炭素住宅:5,000万円
- ZEH水準省エネ住宅:4,500万円
- 省エネ基準適合住宅:3,000万円
ここでいう子育て世帯は19歳未満の扶養親族がいる人、若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが40歳未満である場合などを指します。年齢や扶養親族は入居年の12月31日時点などで判定されます。
出典:住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅を取得したとき|国土交通省
マンションの床面積で注意したいこと
2026年以降の制度では、新築住宅・既存住宅ともに床面積要件が原則40平方メートル以上へ緩和されました。
ただし、合計所得金額が1,000万円を超える人や、子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額上乗せを利用する人は、50平方メートル以上が必要です。
マンションでは、広告に記載される専有面積と、登記事項証明書に記載される床面積が異なることがあります。
住宅ローン控除の床面積は、登記事項証明書上の専有部分で判断します。40平方メートル台や50平方メートル前後の住戸を購入する場合は、登記上の予定床面積を販売会社へ確認しましょう。
住宅ローン控除を受ける手続き
会社員でも、住宅ローン控除を初めて受ける年は確定申告が必要です。
一般的には、入居した年の翌年に次のような書類を用意して申告します。
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 売買契約書の写し
- 登記事項証明書
- 住宅性能を証明する書類
- 補助金や住宅取得資金の贈与に関する書類
給与所得者は、2年目以降、必要書類を勤務先へ提出することで年末調整を利用できます。
利用する金融機関が「調書方式」に対応している場合は、年末残高証明書の扱いなどが異なるため、金融機関と税務署の案内を確認してください。
出典:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合|国税庁
住宅ローン控除のメリット
所得税などの負担を軽減できる
一定期間、住宅ローンの年末残高などに応じて所得税や住民税の負担を抑えられます。
省エネ性能の高い住宅は借入限度額が大きい
長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅などは、一般の省エネ基準適合住宅より大きな借入限度額が設定されています。
子育て世帯などには上乗せがある
一定の子育て世帯や若者夫婦世帯は、2026年入居の場合も借入限度額の上乗せを利用できます。
住宅ローン控除の注意点
控除額は「年末残高の0.7%」だけでは決まらない
住宅性能ごとの借入限度額、取得価格、補助金、贈与の特例、本人の税額などによって実際の控除額は変わります。
新築マンションなら必ず対象とは限らない
省エネ性能や床面積などの要件を満たさない住宅は、対象外になる場合があります。
繰上返済で返済期間が短くなる場合がある
繰上返済によって残りの返済期間が制度上の要件を満たさなくなると、控除を受けられなくなる可能性があります。返済前に金融機関や税務署へ確認しましょう。
他の税制と併用できない場合がある
自宅を売却したときの3,000万円特別控除など、住宅ローン控除と併用できない特例があります。買い替えの場合は、どちらが有利か税理士や税務署へ相談しましょう。
住宅ローン控除について契約前に確認したいポイント
住宅性能の区分
長期優良住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅のどれに該当するかを販売会社へ確認します。
性能を証明する書類
建設住宅性能評価書、住宅省エネルギー性能証明書、認定通知書など、確定申告に必要な書類を誰がいつ交付するのか確認しましょう。
登記上の床面積
パンフレットの専有面積だけでなく、登記上の予定床面積が要件を満たすかを確認します。
入居予定日
住宅ローン控除は売買契約日ではなく、実際に入居した年が重要です。引き渡しと入居が年をまたぐ場合は特に注意しましょう。
控除額の試算条件
販売会社や金融機関の試算を見るときは、住宅性能、年末残高、所得税額、入居年が正しく反映されているか確認してください。
住宅ローン控除のまとめ
住宅ローン控除は、一定の条件を満たす住宅ローン利用者について、年末残高などを基に所得税などを軽減する制度です。
2026年以降は制度が5年間延長されましたが、借入限度額や対象期間は住宅性能、世帯、床面積によって異なります。
購入予定のマンションがどの住宅区分に該当し、どの書類を受け取ればよいか確認できたでしょうか。
