変動金利とは?住宅ローンの仕組みと金利上昇時の注意点
住宅ローンを比較すると、固定金利より低い金利が表示された「変動金利」を目にすることがあります。
「金利はいつ変わる?」「上がったら返済額もすぐ増える?」「5年ルールがあれば大幅には増えない?」と疑問に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、変動金利とは、金融情勢などに応じて返済途中でも適用金利が見直される住宅ローンです。
借入時の金利を抑えやすい一方、将来の返済額や総返済額は確定しません。現在の返済額だけでなく、金利が上昇した場合にも家計を維持できるか確認して選ぶ必要があります。
変動金利を一言でいうと
一言でいうと、変動金利とは、住宅ローンの返済中に適用金利が変わる可能性がある金利タイプです。
金融機関は、短期プライムレートなど各社が定める基準を参考に、住宅ローンの基準金利を見直します。そこから契約者ごとの引下げ幅などを反映したものが、実際の適用金利です。
金利が下がれば利息負担が減る可能性がありますが、金利が上がれば利息負担は増えます。
住宅金融支援機構は、変動金利型について、金融情勢の変化に伴って返済途中でも定期的に借入金利が変動するタイプと説明しています。
変動金利に関連する用語
変動金利は、住宅ローンの金利タイプの一つです。
- 固定金利:一定期間または完済まで適用金利が変わらない金利タイプ
- 基準金利:金融機関が住宅ローン金利を決める基準として示す金利
- 適用金利:基準金利から引下げ幅などを反映し、実際の借り入れに適用される金利
- 元利均等返済:毎月支払う元金と利息の合計額を一定にする返済方法
- 元金:金融機関から実際に借りた金額
- 未払利息:毎月の返済額で支払いきれず、繰り延べられた利息
変動金利と固定金利の違いは、借入時の金利の高さだけではありません。将来の金利変動を誰が負担するかという違いがあります。
変動金利はどんな人に関係する?
変動金利は、借入時の返済額を抑えたい人や、金利が上昇しても家計で対応できる人に向いている可能性があります。
たとえば、借入額が比較的小さい人、貯蓄に余裕がある人、収入に対する返済額の割合が低い人などです。
反対に、毎月の返済額が家計の限界に近い人や、今後教育費などが増える人は慎重に考える必要があります。
国土交通省によると、2025年時点で日本の住宅ローン利用者の約8割が変動金利型を利用しています。一方、日本銀行のマイナス金利政策解除以降、住宅ローン金利は上昇傾向にあるとして、金利リスクへの理解を呼びかけています。
変動金利を身近な例でいうと
変動金利は、状況によって料金が見直される長期契約のようなものです。
契約時点では低い料金でも、将来の環境が変われば支払額が増える可能性があります。
ただし、住宅ローンでは「金利の見直し」と「毎月返済額の見直し」が同じ時期とは限りません。金利が上がっても毎月返済額がすぐ変わらず、返済額の中で利息の割合だけが増えることがあります。
変動金利の仕組み
一般的な変動金利型住宅ローンでは、次のように見直しが行われます。
- 金融機関が基準金利を見直す
- 契約内容に応じて適用金利が変更される
- 毎月返済額の中で元金と利息の割合が変わる
- 契約で定めた時期に毎月返済額が見直される
- 変更後の返済額で返済を続ける
住宅金融支援機構の2025年度調査では、変動型住宅ローンの基準金利を見直す際に主に参考とする金利として、短期プライムレートを挙げる金融機関が最も多くなっています。
また、返済中の適用金利の基準を見直す時期は、半年ごととする金融機関が最も多いとされています。
出典:2025年度 住宅ローン貸出動向調査結果|住宅金融支援機構
変動金利の5年ルールとは
5年ルールとは、元利均等返済の変動金利で適用金利が変わっても、毎月の返済額を5年間変更しない仕組みです。
ただし、金利が上昇しても負担がなくなるわけではありません。毎月返済額が同じでも、その中で利息の割合が増え、元金の減り方が遅くなる可能性があります。
また、5年ルールを採用していない住宅ローンもあります。すべての変動金利に共通する仕組みではありません。
変動金利の125%ルールとは
125%ルールとは、5年後に毎月返済額を見直す場合でも、新しい返済額を直前の返済額の125%までに抑える仕組みです。
たとえば、見直し前の返済額が10万円なら、見直し後は最大12万5,000円までとなります。
ただし、125%を超えた部分の返済が免除されるわけではありません。金利が大きく上昇すると、元金が減りにくくなったり、未払利息が発生したりする可能性があります。
5年ルールと同様に、125%ルールを採用していない金融機関や商品もあります。
変動金利を選ぶメリット
借入時の金利を抑えやすい
一般的に、借入時点では全期間固定金利より低い金利が提示されることがあります。
当初の返済額を抑えやすい
適用金利が低ければ、毎月返済額や当初の利息負担を抑えやすくなります。
金利が上がらなければ負担を抑えられる
低い金利が続いた場合、固定金利より総返済額を抑えられる可能性があります。
ただし、将来の金利は確定できません。「これまで大きく上がらなかった」という理由だけで判断しないことが大切です。
変動金利の注意点
将来の返済額が確定しない
借入時点では、完済までに支払う利息や総返済額を確定できません。
金利上昇時は元金が減りにくくなる
5年ルールによって返済額が変わらなくても、返済額に占める利息が増えれば、元金の減少は遅くなります。
ルールは金融機関ごとに異なる
金利の見直し時期、返済額へ反映する時期、5年ルール、125%ルールの有無を確認する必要があります。
優遇幅が変わる条件に注意する
基準金利だけでなく、金利の引下げ幅が完済まで続くのか確認します。固定金利への変更や返済条件の変更によって、引下げ幅が変わる場合もあります。
固定金利への変更には条件がある
変動金利から固定金利へ変更できる商品もありますが、変更時点の固定金利が適用されます。金利上昇後に変更すると、当初想定より高い金利になる可能性があります。
変動金利の契約前に確認したいポイント
金利は何を基準に見直されるか
基準金利と適用金利の関係、引下げ幅を金融機関へ確認します。
金利と返済額の見直し時期
適用金利が変わる時期と、毎月返済額へ反映される時期を確認しましょう。
5年ルールと125%ルールはあるか
商品説明書や金銭消費貸借契約の内容を確認します。
金利上昇時の返済額
現在の金利だけでなく、金利が1%、2%上昇した場合の返済額と元金残高を試算してもらいましょう。
固定金利へ変更できるか
変更手数料、変更可能な時期、変更後の金利優遇を金融機関へ確認します。
変動金利のまとめ
変動金利とは、金融情勢などに応じて、住宅ローンの返済途中でも適用金利が見直される金利タイプです。
借入時の返済額を抑えやすい一方、将来の返済額と総返済額は確定しません。5年ルールや125%ルールも、金利上昇による負担をなくす仕組みではない点に注意が必要です。
現在の金利だけでなく、金利が上昇した場合にも返済を続けられるか判断できたでしょうか。
