金消契約とは?住宅ローン契約前に確認したい内容と注意点
住宅ローンの本審査に通過すると、金融機関から「次は金消契約です」と案内されることがあります。
「売買契約とは何が違うの?」「契約した日に住宅ローンが振り込まれるの?」など、手続きの内容が分かりにくいと感じる人もいるでしょう。
結論からいうと、金消契約は、金融機関から住宅ローンを借りるために、借入額や金利、返済期間などを正式に取り決める契約です。一般的には本審査の承認後、残代金の決済や物件の引き渡し前に行います。
ここでは、金消契約と融資実行の違いや、契約前に確認しておきたい条件を整理します。
金消契約を一言でいうと
金消契約とは、一言でいうと、住宅ローンを「いくら借り、どのような条件で返すか」を金融機関と正式に決める契約です。
正式には「金銭消費貸借契約」といいます。マンションの売買契約が買主と売主の契約であるのに対し、金消契約は借主と金融機関の契約です。
主に次のような内容を取り決めます。
- 借入金額
- 金利タイプと適用金利
- 返済期間
- 毎月の返済日
- 元利均等返済などの返済方法
- ボーナス返済の有無
- 遅延した場合の取り扱い
金融機関や商品によっては、店舗ではなく電子契約で手続きすることもあります。契約方法が違っても、住宅ローンの条件を正式に確定する重要な手続きである点は変わりません。
金消契約に関連する住宅ローン用語
金消契約は、住宅ローンの本審査が終わってから融資が実行されるまでの間に位置する手続きです。
関連する用語を整理すると、次のようになります。
- 本審査:金融機関が収入や物件、信用情報などを確認し、融資の可否を判断する審査
- 団体信用生命保険:返済中に所定の状態になった場合、保険金で住宅ローン残高を返済する仕組み
- 抵当権設定契約:返済できなくなった場合に備え、金融機関が物件へ抵当権を設定するための契約
- 融資実行:契約した住宅ローンの資金が実際に支払われること
- 残代金決済:売買価格から手付金などを差し引いた残額を売主へ支払うこと
金消契約を結んだだけでは、融資実行まで完了したとは限りません。金消契約と融資実行は別の段階として理解しておきましょう。
金消契約はどんな人に関係する?
金融機関から住宅ローンを借りてマンションを購入する人には、原則として関係する手続きです。
たとえば、35歳の会社員が新築マンションを購入し、本審査の承認を受けた場合、引き渡し前に金融機関との金消契約を行います。その後、決済日に融資が実行され、借入金が売買代金の支払いに充てられます。
ペアローンの場合は、夫婦それぞれが借主となるため、基本的には2本の住宅ローン契約を結びます。一方、収入合算では、商品によって連帯保証人や連帯債務者の扱いが異なります。
自分だけでなく、配偶者が契約当事者や保証人になる場合は、それぞれの責任範囲も確認が必要です。
金消契約を身近な例でいうと
金消契約は、住宅ローンの「最終注文書」に近いものと考えるとイメージしやすいでしょう。
本審査は、金融機関が「この条件なら融資を検討できる」と判断する段階です。金消契約では、その結果をもとに、実際の借入金額や期間、返済方法などを確定します。
ただし、一般的な買い物の注文書とは異なり、住宅ローンは長期間にわたって返済義務を負う契約です。内容を十分に理解しないまま署名・同意することは避けましょう。
金消契約が必要な理由
住宅ローンは、数千万円を長期間借りることが多い契約です。そのため、金融機関と借主の双方が、融資条件や返済義務を明確にしておく必要があります。
金消契約によって、借入金額だけでなく、金利の決まり方や返済日、繰上返済、返済が遅れた場合の取り扱いなども確認できます。
月々の返済額だけを見るのではなく、どのような条件で借り、どのような場合に負担が変わるのかまで把握することが大切です。
金消契約から融資実行までの流れ
一般的な流れは次のとおりです。
- 住宅ローンの本審査に通過する
- 金融機関から融資条件や必要書類の案内を受ける
- 借入額、金利タイプ、返済期間などを最終確認する
- 金消契約と必要な関連契約を締結する
- 決済日に住宅ローンが実行される
- 売主への残代金支払いと物件の引き渡しを行う
実際の順番や必要書類、手続き方法は金融機関によって異なります。電子契約の場合も、案内された期限までに手続きを完了させる必要があります。
決済日には、司法書士が登記関係の書類を確認し、問題がなければ残代金の支払いと所有権移転登記などが進められます。
出典:「不動産取引の手引き」9 残金支払(決済)と引渡し|東京都住宅政策本部
金消契約前に知っておきたい注意点
本審査の承認と融資実行は同じではない
本審査に通過しても、すぐに借入金が振り込まれるわけではありません。
金消契約や必要書類の提出、抵当権設定に関する準備などを終え、予定された日に融資が実行されます。転職や新たな借入など、審査時から状況が変わった場合は、事前に金融機関へ伝えましょう。
適用金利が決まる時期は商品によって異なる
住宅ローンの金利が、申込時、契約時、融資実行時のどの時点で決まるかは商品によって異なります。
たとえば、フラット35では資金受取時の金利が適用されます。申込時に確認した金利と実際の適用金利が同じとは限らないため、契約前に決定時期を確認しましょう。
契約後の条件変更には制限がある
金消契約後に借入金額や返済期間、金利タイプを変更したいと思っても、簡単には変更できない場合があります。
自己資金や諸費用を最終確認し、希望する借入額に間違いがないか確認してから契約しましょう。
書類の不備が融資実行に影響することがある
氏名や住所の相違、必要書類の不足などがあると、契約や融資実行の予定に影響する可能性があります。
特に引っ越し前後で住所が変わる場合や、共有名義・ペアローンを利用する場合は、必要書類と記載方法を早めに確認しておきましょう。
金消契約前に確認したいポイント
借入金額と自己資金の内訳
売買価格、手付金、住宅ローンの借入額、自己資金、諸費用の内訳が合っているか確認します。
不動産会社が作成した資金計画表と、金融機関の契約内容を照らし合わせましょう。
金利と毎月の返済条件
金利タイプ、適用金利が決まる時期、返済期間、毎月の返済日、ボーナス返済の有無を金融機関へ確認します。
現在の返済額だけでなく、変動金利の場合は金利が変わったときの取り扱いも聞いておきましょう。
融資実行日の資金の流れ
融資実行日、振込先、振込金額、振込手数料を確認します。
融資金が自分の口座を経由するのか、金融機関から売主へ直接振り込まれるのかも、金融機関や不動産会社へ確認しておくと当日の流れを把握しやすくなります。
団信や保証に関する契約内容
団信の保障開始時期や保障範囲、保証会社を利用する場合の保証料や条件を確認します。
ペアローンや収入合算では、誰が借主、連帯債務者、連帯保証人になるのかも整理しておきましょう。
必要書類と手続き期限
本人確認書類、印鑑、住民票、印鑑登録証明書など、必要なものを金融機関へ確認します。
電子契約の場合も、登録や同意の期限を過ぎないようにしましょう。
金消契約のまとめ
金消契約とは、住宅ローンの借入金額や金利、返済期間などを金融機関と正式に取り決める契約です。
本審査の通過、金消契約、融資実行はそれぞれ別の段階です。契約書では借入額だけでなく、金利が決まる時期、返済方法、団信や保証、融資実行日の流れまで確認しましょう。
提示された住宅ローンの条件で長期間返済していけるか、金消契約の前に自分の言葉で説明できる状態になっているでしょうか。
