省エネ性能ラベルだけで補助金やフラット35Sは使える?証明書の確認方法

新築マンションの広告に「ZEH水準」「省エネ性能ラベル」が表示されていても、その表示だけで「みらいエコ住宅2026」やフラット35Sの対象と確定するわけではありません。
省エネ性能ラベルは、住戸や住棟の性能を比較するための表示です。一方、補助金や住宅ローンの優遇を利用するには、制度ごとに指定された証明書、対象となる住戸、申請時期を確認する必要があります。
契約前は不動産会社へ、「この住戸について、どの制度の、どの証明書を取得済みまたは取得予定か」を書面で確認しましょう。ラベルの星の数だけで補助額や金利優遇を見込むと、予算計画がずれるおそれがあります。
広告の表示、性能を証明する書類、制度への申請は別の確認です。購入予定の部屋番号に対応する証明書と取得状況を販売会社へ依頼しましょう。
省エネ性能ラベルは住宅を比較するための表示
国土交通省の省エネ性能表示制度は、販売・賃貸事業者が広告などへ省エネ性能を表示し、消費者が住宅を比較しやすくする制度です。2024年4月以降、新築建築物の販売・賃貸広告では、省エネ性能ラベルの表示が必要とされています。
住宅用のラベルでは、主に次の情報を確認できます。
- エネルギー消費性能:国の省エネ基準からの削減度を星で表示
- 断熱性能:熱の逃げにくさなどを段階で表示
- ZEH水準:所定のエネルギー消費性能と断熱性能を満たす場合に表示
- 評価方法:販売事業者による自己評価か、評価機関による第三者評価か
- 目安光熱費:住戸ラベルに任意で表示される場合がある
第三者評価の場合はBELSマークを表示できます。ただし、広告に表示されたラベルと、申請に使うBELS評価書そのものは分けて考える必要があります。
また、マンションには「住戸」のラベルと「住棟」のラベルがあります。検討中の部屋について知りたいときは、マンション全体の表示だけでなく、購入予定住戸のラベルか、住戸ごとの評価結果かを確認してください。
ZEHとZEH-Mの違いは、マンションのZEH解説でも整理しています。

みらいエコ住宅2026はラベルとは別に証明書を確認する
みらいエコ住宅2026では、申請者本人ではなく、登録された販売事業者が購入者に代わって手続きを行います。新築分譲住宅の対象要件では、予約期限は遅くとも2026年11月16日、交付申請期限は遅くとも2026年12月31日ですが、予算上限に達した場合は早く終了します。
参考:新築分譲住宅の対象要件|みらいエコ住宅2026事業事務局
住宅の性能を証明する住宅証明書等の一覧では、対象住宅ごとに申請へ使える書類が指定されています。新築マンションでは、次の違いが重要です。
参考:住宅の性能を証明する住宅証明書等の一覧|みらいエコ住宅2026事業事務局
| 補助対象住宅 | 契約前に確認したい主な証明 | マンション特有の注意点 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | BELS評価書、設計住宅性能評価書など | 共同住宅は住棟評価と住戸評価の両方が必要 |
| 長期優良住宅 | 長期優良住宅建築等計画認定通知書 | 購入予定住戸が認定対象か確認する |
| ZEH水準住宅 | 設計・建設住宅性能評価書、BELS評価書、所定のフラット35S書類など | 住戸ごとに評価された証明が必要。住棟だけの証明では足りない |
ZEH水準住宅は、共同住宅でも住戸ごとの断熱等性能等級5以上と、再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量20%以上の削減などが必要です。広告で「ZEH-M」と表示されていても、購入予定住戸の証明範囲と、申請に使う書類を確認してください。
新築分譲住宅の申請手続きでは、共同事業実施規約に補助金の受取方法、想定される補助金額、申請手数料などを記載し、申請できない場合の損失負担もあらかじめ取り決めるよう案内しています。
参考:新築分譲住宅の申請手続き|みらいエコ住宅2026事業事務局
契約前に不動産会社へ、次の点を確認しましょう。
- 販売事業者は、みらいエコ住宅事業者として登録されているか
- 購入予定住戸はGX志向型、長期優良住宅、ZEH水準住宅のどれで申請するのか
- 住戸評価と住棟評価について、どの証明書を取得済みまたは取得予定か
- 予約・交付申請は済んでいるか。未申請なら、いつ行う予定か
- 補助金の受取方法、申請手数料、不交付時の負担を共同事業実施規約へどう記載するか
「対象予定」という口頭説明だけで購入予算に補助金を入れず、書類名と手続き状況まで確認することが大切です。
フラット35Sも省エネ性能ラベルだけでは確定しない
フラット35Sは、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性などの技術基準を満たす住宅について、フラット35の金利を一定期間引き下げる制度です。
フラット35Sの技術基準によると、新築住宅の金利Aプランを省エネルギー性で利用する場合は、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上が基準の一つです。数字はZEH水準の表示と似ていますが、フラット35Sには耐震性など別の適用経路もあり、住宅ローンとしての利用条件や物件検査もあります。
そのため、ラベルにZEH水準の表示があるだけで、フラット35Sの適用を確定させないでください。取扱金融機関と不動産会社へ、次の書類を確認します。
- フラット35の適合証明書を誰が、いつ取得するか
- フラット35Sのどのプラン・性能項目で適用するか
- 購入予定住戸が登録マンションの対象に含まれるか
- 設計段階の予定から竣工時に条件が変わった場合の扱い
- 金利引下げのポイント数、期間、引下げ幅
フラット35Sの基本はフラット35Sの解説、住宅ローンの比較項目は住宅ローンの選び方も参考になります。


契約前は「表示・証明・申請」を分けて確認する
省エネ性能ラベル、BELS評価書、補助金の交付申請、フラット35Sの適合証明は、役割が違います。
| 確認するもの | 主な役割 | 確認先 |
|---|---|---|
| 省エネ性能ラベル | 広告で省エネ性能を比較する | 不動産会社・販売事業者 |
| BELS評価書など | 住戸・住棟の性能を第三者資料で確認する | 不動産会社・評価機関 |
| みらいエコ住宅2026の申請 | 補助対象・予算・期限に沿って補助金を申請する | 登録販売事業者 |
| フラット35Sの適合証明 | 住宅ローンの技術基準への適合を確認する | 不動産会社・適合証明機関・金融機関 |
不動産会社には、「ラベルのコピーだけでなく、購入予定住戸に対応する証明書名、取得状況、補助金の申請状況、フラット35Sの適用予定を書面でください」と伝えましょう。
広告の「ZEH水準」「補助対象予定」「フラット35S対応」という表示は、確認の入口です。最終判断は、住戸番号が一致する証明書、共同事業実施規約、申請状況、金融機関の確認結果をそろえてから行ってください。






