住宅ローンの固定金利とは?全期間固定と10年固定の違い・選び方

住宅ローンの「固定金利」には、返済終了まで金利が変わらない全期間固定金利型と、当初の一定期間だけ金利を固定する固定金利期間選択型があります。名前は似ていますが、固定期間が終わった後の金利と返済額が確定しているかどうかが大きく違います。
契約前は広告の当初金利だけで比べず、固定される期間、期間終了後の決まり方、金利タイプを変更できる条件、手数料、団信を含む総費用を確認しましょう。
固定金利は「完済まで固定」と「一定期間だけ固定」に分けて考えます。固定期間の終わりに何が変わるかを確認し、当初金利だけでなく終了後の家計まで比べましょう。
「固定金利」は2種類に分けて考える
住宅金融支援機構の金利タイプ解説では、住宅ローンの主な金利タイプを「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」「変動金利型」の3つに分けています。
| 金利タイプ | 金利が固定される期間 | 契約前の確認点 |
|---|---|---|
| 全期間固定 | 完済まで | 市場金利が下がっても自動で下がらない |
| 固定期間選択型 | 当初2年・5年・10年など | 終了後の金利・月額は未確定 |
| 変動金利 | 固定されない | 金利と返済額の見直し方法 |
「10年固定」と表示されていても、35年返済のうち10年間だけ固定する商品なら、全期間固定ではありません。11年目以降にどの金利タイプへ移るのか、適用される基準金利と引下げ幅がどうなるのかを確認する必要があります。
住宅ローン全体の選び方は住宅ローンの基本、変動金利との違いは変動金利の仕組みと注意点も参考になります。

全期間固定金利型は返済計画を確定しやすい
全期間固定金利型は、借入時に完済までの金利が決まります。借入後に市場金利が上がっても適用金利は変わらないため、長期間の返済額を見通しやすいことが特徴です。
一方、市場金利が下がっても返済額は自動で下がりません。借換えを検討する場合は、新しいローンの事務手数料、登記費用、団信の条件などを含めて判断します。
代表的な全期間固定金利型であるフラット35は、融資実行時に返済終了までの金利が確定します。ただし、金融機関、借入期間、融資率、団信、住宅性能による金利引下げなどで条件が変わります。仕組みはフラット35の解説でも確認できます。
「固定だから安全」と一言で決めるのではなく、家計にとって返済額を確定する価値と、当初から支払う金利・諸費用を比較しましょう。

固定金利期間選択型は、終了後の確認が重要
固定金利期間選択型は、「当初10年間」などの固定期間中は金利と返済額が変わりません。しかし、固定期間が終わる時点の市場金利や商品条件によって、その後の金利と返済額が変わります。
契約前に次の点を確認してください。
- 固定期間終了後は、自動的に変動金利へ移るのか
- 再び固定金利を選べるのか、選べる固定期間は何年か
- 終了後の金利は、どの基準金利と引下げ幅で決まるのか
- 金利タイプを選び直す申込期限と変更手数料
- 返済額はいつ再計算され、どの返済日から変わるのか
当初の大きな引下げ幅が、固定期間終了後も続くとは限りません。「店頭金利から何%引下げ」という表示があれば、固定期間中と終了後の引下げ幅を別々に書面で確認しましょう。
また、5年ルール・125%ルールは、すべての住宅ローンに共通する制度ではありません。固定期間終了後に変動金利へ移る場合も、その商品の返済額見直しルールを確認してください。

当初金利だけでなく、終了後の返済額も試算する
固定金利期間選択型を比べるときは、当初期間の金利だけでは判断できません。銀行には、少なくとも次の3通りの返済予定表を依頼するとよいでしょう。
- 現在提示されている金利が固定期間終了後も続く仮定
- 固定期間終了後に金利が1ポイント上がる仮定
- 家計が耐えられる上限まで金利が上がる仮定
これは将来金利の予測ではなく、返済余力を確認するための試算です。固定期間終了時の残高と残り期間を使って再計算してもらいます。
月々の返済額に加え、管理費、修繕積立金、固定資産税、駐車場代、教育費などを含めて家計を見ましょう。返済額が増えた場合に貯蓄を取り崩さず払えるかが重要です。
比較条件をそろえると、金利以外の差が見える
銀行ごとの住宅ローンを比べるときは、借入額、返済期間、返済方法、ボーナス返済の有無をそろえます。そのうえで、次の費用と条件を一覧にしてください。
- 当初の適用金利と固定期間
- 固定期間終了後の金利の決まり方
- 融資手数料、保証料、繰上返済手数料、金利タイプ変更手数料
- 一般団信の保険料と、疾病保障を付ける場合の上乗せ
- 住宅性能や家族構成などによる優遇の条件と期間
- 固定期間終了時の想定返済額と総返済額
金利が低く見えても、手数料が高い商品や、団信の上乗せがある商品では総費用が逆転することがあります。反対に、全期間固定の金利が高く見えても、将来の返済額を確定できる点に価値を感じる家庭もあります。
契約前は、銀行の商品説明書と返済予定表を受け取り、固定期間終了後の基準金利・引下げ幅・返済額の決まり方を確認してください。不動産会社の資金計画表も、同じ借入額と決済予定日になっているか照合しましょう。






